目的を持つ椅子
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ココから続き
目的を持たない椅子はほぼ無いだろう。それは座る為の道具として作られる以上、楽をする為の道具であるからである。しかし私が焦点を当てたい椅子は座り心地だけを追求したものや見た目の洗練さだけを追求したものではなく実用性を兼ねたものである。
ミルクスツールという椅子がある。これは座高が低く家庭で使うには用途が限られるが、牛の搾乳する為のものでちょうど良いサイズなのである。この椅子には座面からフライパンのような取っ手がついていたり輪っかがついている。次々と牛を変える時、椅子の持ち運びをしやすくするための取っ手と両手がふさがっていても持ち歩くことができる為の輪っかなのである。シンプルな外見でも一つの事に特化されているミルクスツールは乳搾りの為の椅子なのである。
スツールというジャンルは背もたれや肘掛のない椅子でシンプルなもの。座ったまま移動する事の多い仕事向けに足に車輪がついたものもある。
おそらくスツールが使われる前まで搾乳作業はしゃがんで、郵便物棚の仕分け作業は立っての作業だったのだろう。座っていた方が楽で、効率が上がるのである。
椅子に取っ手や輪っかをつけて運搬しやすくしたように、簡易机と椅子が合わさった勉強椅子も目的があってのものだろう。椅子と別の物とが合わさることで新しい価値が生まれるかもしれない。
ワード:○○+椅子
今でも立って(しゃがんで)することの多かった作業を椅子に座ってやってみたらどうだろうか、という切り口から考えてみると「何かの為の椅子」が生まれやすいか・・・?
しかし実用性に傾きすぎると完成イメージが一般的な椅子の形状に近くなってしまう気がする。
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